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ステップ6  

「苦痛(恐怖)と快楽のプログラミング」に支配されないこと

  

 

人間にとって最も根源的な本能は、

快楽を求め、苦痛(恐怖)を避けることだ。

   

これは一種のプログラミングであり、

生存本能の一部でもある。

  

   

この本能は胎児の頃から既に存在し、

死ぬときまでずっと持ち続ける。

 

   

生まれてから6歳くらいまでの人間は、

まだとても弱々しい存在なので、

生存本能をフルに働かせて

危険なものを極力避けようとする。 

 

  

この間に「刺激と反応」のシステムを確立し、

苦痛(恐怖)は悪いもので、

快楽は良いものだと認識するようになる。

 

 

この「刺激と反応」は、

「原因と結果」や「作用と反作用」

などと呼ばれたりもする。

 

 

このプログラミングも

自然界の物理法則の一部で、

 

具体的にはニュートンが唱えた運動の第三法則、

つまり「すべての作用には反作用がある」

と言う法則と大体同じことを言っている。

  

 

以上のことを踏まえて、私はこれを

「苦痛(恐怖)と快楽のプログラミング」

と呼んでいる。

 

    

快楽を与えてくれるものは安全で、

それゆえに良いものであり、

欲しいものだという観念である。

 

     

反対に苦痛(恐怖)を与えるものは

危険と解釈され、

 

脳が「戦え」という指令を出したり、

「動くな」という指令を出したり、

「逃げろ」という指令を出したりする。

     

 

単純に生存と言う観点だけで考えれば、

この刺激と反応のシステムはよくできている。

   

少なくとも人生の最初の6年ほどは、

大いに役に立ってくれるだろう。

    

    

しかし、大人にとっての成功は、

この方法では手に入らない。

 

   

人は大人になれば、

快楽が体に悪いこともあり、

苦痛が自分のためになることもある

と理解できるようになる。

 

       

それなのに、残念ながら大抵の人が、

大人になってもまだ快楽だけを追い求め、

苦痛(恐怖)は全力で避けようとする。

 

     

たとえそのせいで、

愛と真実と心の平安が犠牲になるとしても。

   

  

簡単に言うと、たいていの人が、

5歳児のまま大人になっているということだ。

  

ーーー

   

例を挙げて考えてみよう。

     

 妻のいるある男性が、その場の勢いで一夜の情事に身を投じてしまった。

 翌朝、彼は激しく後悔し、家に帰ってからも罪悪感と恐怖で全く心が休まらない。

 

 その夜、夕食の後で、男性は浮気をおそるおそる告白した。

 

 妻はショックを受けた。

 

 それから1時間ほどの間、2人は苦痛に耐えながら話し合った。

 

 夫は罪悪感にさいなまれていたが、それでもあれは一時の気の迷いであり、もう二度としないと断言した。

 

 妻は混乱し、傷ついていた。

 

 夫が急に知らない人になってしまったようで、激しく戸惑っていた。

 

 その夫に、「本当にその浮気相手と寝たかったのか」と尋ねたら、きっと「まさか私は妻を愛している。あれは一時の気の迷いだ」と言う答えが返ってくるだろう。

 

 しかし私に言わせれば、もし本当に寝たくはなかったのなら、実際に寝ることもなかっただろう。

 

 それは、すべての行動の裏には動機があり、すべての動機の裏には思い込みがあるからだ。

  

 その思い込みが何であれ、人間はいつも【自分の思い込み通り】に行動する。

  

 実際に浮気をするには、「浮気をするのが、今この瞬間でベストの選択だ」と信じている必要がある。

 

 「ここで彼女と寝れば、今求めている大きな快楽が手に入る。最近の妻はセックスに応じてくれないので、私が浮気するのもやむを得ない。今回だけだ」

   

 それと同時に、彼はおそらく、浮気は良くないと言うことも本気で信じている。

 

 矛盾する2つの信念の間で葛藤があると、その瞬間に“より強い信念”のほうが勝つことになる。

   

 浮気をしたいと言う信念は、苦痛(恐怖)と快楽のプログラミングから生まれている。

   

 つまり5歳児の思考だ。

   

 そして浮気はいけないと言う信念は、愛と真実から生まれている。こちらは大人の思考だ。

    

 決断の瞬間、男性は「戦うか、それとも逃げるか」モードに入っている。

 

「こんなことをしたら取り返しのつかないことになる」

という気持ちも確かにある。

 

 もしかしたらショック状態になり、意識的な思考が働くなっているのかもしれない。

 

 動物と同じで、本能だけで行動する状態だ。

 

 そしてついに、本能に従うことになる。

 

 一線を超える瞬間は、理性がほとんど働いていない。

 

 もうまともに考えられなくなっている。

 

 

 そしてことが終わると、理性が復活して、激しい後悔と罪悪感に襲われることになる。

 

「なぜあんなことをしてしまったんだ? いけないってわかっていたのに!」

     

 なぜかと言うと、苦痛と快楽のプログラミングに従って行動したからだ。

 

 彼は5歳児のように考え、5歳時のように行動した。

 

 確かに浮気をすると言う行動を選んだのは夫だが、見方を変えれば選ばされたとも言える。

 

 無意識のプログラムに操られ、本能的に快楽に走ってしまっただけだ。

  

 だから、「もう二度としない」という誓いの言葉を実行に移すには、その「無意識のプログラム」を変えなければならないのだ。

 

  

 これが当てはまるのは、浮気と言う状況だけではない。

 

 子供に向かって怒鳴ってしまうのも、ダイエット中なのにアイスクリームを我慢できないのも、すべて苦痛(恐怖)と快楽のプログラミングで説明がつく。

  

 

 “意志の力”も、本能の前では何の役にも立たないのだ。

 

  

(次回に続く)

 

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いかがでしたか?

 

かなりシビアに感じた人もいるのではないでしょうか?

  

 でもこの「脳の仕組み」をちゃんと理解していないと、永遠に自分の脳(エゴ)に振り回されてしまいます。

        

 つまり起きた出来事に対して、自動的に反応するだけの直線的な思考回路しか持たなくなります。

       

  

 メディアのコロナ報道を見すぎて思考停止状態になり、正しい判断ができない人たちがまさにこのパターンなのです。

     

 

  

それでは次回の最終回をお楽しみに♪

   

 

感謝・合掌 なべG